「雲丹と栗」考察

『残機』歌詞考察記事

ずっと真夜中でいいのに。「残機 (Time Left)」歌詞考察と感想

今回は、ずっと真夜中でいいのに。の楽曲「残機」について、歌詞の意味や背景をしっかり調べて、親しみやすく、でも真剣に考察してみます。


1. 曲の基本情報

  • 曲名:残機(Zanki/英語名 “Time Left”)
  • アーティスト:ずっと真夜中でいいのに。
  • リリース日:2022年10月19日(配信限定シングル)
  • 収録アルバム:『沈香学』
  • 作詞・作曲:ACAね
  • 使用タイアップ:TVアニメ『チェンソーマン』第2話エンディングテーマ
  • 曲の長さ・テンポなど:3分50秒、BPM141

2. 歌詞に込められたテーマとタイトルの意味

「残機」というタイトルは、ゲーム用語で「あと何回生き返れるか」「残り命」という意味があります。英語タイトル “Time Left” も「残された時間」というニュアンスを持っていて、歌詞全体を通じて「あとどれだけ動き続けるか/どれだけ“残せるか”」という気持ちが強く現れています。


3. 日常と非日常の狭間で揺れる感情

歌詞の冒頭近くで、主人公が「嫌」という一言を吐くところから始まります。この「嫌」は単なる不満ではなく、何かを続けることへの重さ、不安、面倒くささなど様々な感情を内包しているように感じます。

また、「うざいくらい 叫んだって喰らったって 譲れない日々よ 栄養になって また 汚しあえ」というサビの一節は、他人との関わりや言い争い、誤解や傷つけ合いなども含めて、それらの“うざさ”すらが自分を形作る栄養になっている、という強さを感じさせます。


4. 感情の起伏と“残機”の葛藤

曲の中盤〜後半では、感情の波が大きくなる構成が見えます。最初は「嫌」「重い」「逃げたい」などのネガティブな側面が強調され、それが「もう少し頑張ってみよう」「時間があるのなら使いたい」といった希望や意志へと変化していくような展開が感じられます。

「残機わかんなくて 上がんなくて」のようなフレーズから始まる苦しさ、「だけど …」と続く希望の兆しが混ざる部分で、「時間が残っているならどう使うか」を意識する心の動きが伝わってきます。


5. サウンドとのリンクとアニメとのシンクロ

サウンド的には、BPM141という速さと、ずとまよ特有のボーカルの切り替え(静かな部分 → 盛り上がるサビ)が、歌詞の感情の起伏をしっかり支えています。音の余白(静かな部分)で「考える時間」を与え、そこから感情が爆発するようなサビへの盛り上げは、聴き手の心を引き込む力があります。

また、『チェンソーマン』というアニメとのタイアップも、物語の中で“命・残された時間・戦い”といったテーマが重く扱われていることとリンクしており、歌詞の「Time Left」「残された命のようなもの」感覚がアニメ視聴後にもより重く心に残るように思います。


6. 個人的な感想

この曲を夜静かな時間に聴くと、なんだか自分の中の“続けたいけど疲れている自分”と向き合わされる気持ちになります。「嫌」という短い言葉が強く、でもそれだけじゃ終わらない。ささやかな希望を探して、自分の“残機”を信じて進みたい、そう思わせてくれる曲です。


7. まとめ

「残機」は、ただ悲しいだけではなく、「残る時間をどう使うか」「どこまで本音で生きるか」という問いを投げかける楽曲です。他者との関わりや日常の“もどかしさ”を描きながらも、最後には“まだ終わりじゃない”という強さと優しさが感じられます。

ずとまよファンとしては、この曲を聴くたびに「自分の残機は何か?」を考えたくなる。そんな余韻のある、一生聴き続けたい曲です。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です